取引DPF官民協議会準備会及び消費者庁消費者政策課に
意見書を提出いたしました

令和4年1月31日


消費者庁消費者政策課
取引デジタルプラットフォーム官民協議会準備会 御中


取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律のガイドライン制定等に係る意見書


NPO法人バーチャルライツ
理事長 國武悠人


 2022年度に施行される予定の取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(以下、DPF法)のガイドライン制定等に係る意見を提出いたします。

 DPF法はCtoC取引を対象にしたものでは無いのにも関わらず、第204回国会衆議院消費者問題に関する特別委員会第5号で述べられている通り¹、場合によっては個人も「販売業者等」に該当するのではないかといった懸念が存在します。
 特に近年、デジタル分野におけるCtoC取引の発展はめざましく、雅号で活動するアーティストが3Dモデルやデジタルイラストを取引DPF上で販売するケースは珍しくありません。個人が「販売業者等」に該当するかどうかは、営利目的であるか否か反復継続的に同種の行為を行っているかどうかについてその者の意思にかかわらず客観的に判断されるもの²とされていますが、画一的な基準をガイドライン等で定めてしまうと雅号で活動するアーティストの実名が販売業者等情報開示請求によって明らかになってしまうといったことが考えられます。
 そのため、雅号で活動することが前提となっているデジタルデータの取引DPFについてはガイドラインにて、物理取引が前提の取引DPFとは別の基準を制定することが求められます。判断基準について、取引DPFの特性や状況の変化を踏まえつつ検討を行っていく必要については国会審議で政府参考人が回答している通りです³。デジタルデータの取引は特定商取引法のガイドラインでも具体的に定められていないだけに、取引DPF提供者だけでなく、実際に取引を行う当事者の団体を交えた上で十分な検討を行う必要があります。
 しかし、ガイドライン制定の主体となる取引デジタルプラットフォーム官民協議会準備会(以下、取引DPF官民協議会準備会)には、消費者団体が3団体、民間の事業者団体が6団体が構成員となっているものの、デジタルデータ取引に係る取引当事者団体が1団体も構成員になっていない他、国会審議で課題となった「隠れB」に係る取引当事者団体も構成員となっていません。
 以上を踏まえ、NPO法人バーチャルライツは、消費者庁消費者政策課、及び取引DPF官民協議会準備会に対し下記三点を要望として強く申し上げます。


一、ガイドライン制定にあたっては各取引DPFの特性を十分に尊重し、特に雅号でデジタルデータの取引を行うことが前提、商慣習となっている取引DPFでの販売業者等該当基準には十分な配慮を行うこと

一、取引DPF官民協議会準備会に「隠れB」に係る取引当事者団体を加えること

一、可能であれば取引DPF官民協議会準備会から「隠れB」に係るデジタルデータの取引当事者団体に意見交換の機会を与えること

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